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万華鏡作家烈伝 - 角 敏郎 - |
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| 角 敏郎 プロフィール |
| 昭和28年生まれ。鳥取県出身 多摩美術大学大学院美術研究科卒業。 1977年 行動美術展新人賞受賞 1980年 行動美術展奨励賞受賞 1981年 行動美術展会友推挙 1997年 東急ハンズ主催 ハンズ大賞展 ハンズマインド賞を万華鏡で受賞 2000年 銀座のギャラリーで万華鏡の個展を開催 2001年 銀座のギャラリーで万華鏡の個展を開催予定 |
待ち合わせ場所の渋谷で落ち合い、角さんのなじみの呑み屋に向かう。やはり、この人と酒は良く似合う。だまっていればダンディーなおじさんなのだが、飲めば飲むほど普通の人の良いおやじになっていく。インタビューしていても、妻と子供と暮らす良き家庭の父親という面が顔を出す。 でも、この人の万華鏡はすごい! アルミなどの金属できっちりと作り上げられた筐体は、惚れ惚れしてしまう。 いいかげん酒も回ったところで、分かれたのだが、角さんは、「もう一軒」ということで、夜の街に消えていった。 |
Q: 最初に作った万華鏡は何でしたか?A: 小学校で、作りました。どんなミラーを使ったのかは、定かではないですけど。 普通のガラスを使った、キットだったと思います。 Q: それは、やはり印象に残っていますか? A: やはり、画面が動くというのがすごく不思議だったんですよ。色が、変わるというのも。映画で総天然色という時代のあれで、セロハンを使ったと思うんですけど、「こんなすごいものものがあるんだ」と強烈に印象に残っています。 その後、この万華鏡がどうなったかは、覚えてませんけど、あの画像は、あんなにきれいなものは見たことがなかったので記憶に残っています。 大きさは20cmくらいだったかな、3ミラーだったと思いますけど・・・。 Q: 角さんといえば、三面鏡の話が有名ですけど・・・ A: 万華鏡が先です。三面鏡は、この学校のキットの後の話です。僕は昔から鏡を使った作品が好きで、学生時代にもミラーを使った作品がありましたよ。 Q: ということは、心の中に、ずーと万華鏡が残っていて、ある日作りたいと思ったわけですか? A: えーとね、万華鏡は断続的に「作りたいな」と思っていて、仕事にかまけてできない部分とかいっぱいあっったけど、作りたいとずっと思っていました。 Q: 小さいころから? A: うん、また見たいと思って。 仕事を始めてしばらくして、取材かなんかでティファニーにいったんですよ。そこで、シルバーの万華鏡を見て、「そうだ これだ!」と思って、また作りたくなりました。ティファニーの万華鏡は、外はシルバーで中は半貴石が入っていて、3ミラーで結構きれいだった。 Q: それ見て、作り出したんですか? A: うん、「これだ!」と思って、作り出しました。 Q: 一番最初に作った作品は? A: 会社で、作ったのは普通の筒型の万華鏡。12-13年ほど前ですかねえ。 Q: 売れましたか? A: 当時は店も少なかったですけど、好きな人は好きで、完売しました。 Q: ところで、角さんの本職は何なんですか? A: デザイナーみたいなもんですね。例えば、「消せない消しゴム」とか・・・。真鍮で作ったんだけど、使って丸くなった消しゴムと同じ形で作ったんです。キャメイの使いかけの石鹸を金属で作ったりとか。これは、亀井さんて人が、お土産にするってたくさん買ってくれました。 仕事の話はやめましょうよ(笑)、はっきりいって、机上の小物なんですけど、変なものばっかり作ってます。 Q: 大熊さん(日本万華鏡倶楽部代表)と知り合うまでは、一人で万華鏡を作ってられたんですか? A: 大熊さんから手紙がきたときにはびっくりしました。「日本万華鏡倶楽部を結成したいので、是非参加して欲しい」って内容で。行って見ると、10人くらい集まっていて、会場はマイヤーズ4階の島唄だったと思うけど、そのときはまだマイヤーズが万華鏡を販売していることすら知らなくて。日本に万華鏡の店があるなんてまさか思ってませんでした。そのときに山見さんとも知り合ったんだけど、「おお、こんなのがいるんだ」と思いましたね。 Q: 今まで、作った中で一番印象に残っている作品は? A: うーんとね、東急ハンズに出して賞をもらったやつ。これは、売らずに手元に置いておきたいな。ギヤで動くんですけど、これは特別ギヤーが多くて二度と作りたくないんですよ。 Q: ギヤを組み合わせた作品が多いのは? A: あれは、子供のころから好きだったんですよ。ぜんまい仕掛けのものとかね。私もぜんまい仕掛けで動いているようなものですから。 |
Q: 今までで一番うれしかったことは?A: やっぱりね、板橋の老人福祉センターに行ったときかな。そこで、万華鏡の作り方を教えたときに、おじいさんとかおばあさんが、やはり昔作った記憶があるのか「また、こんなきれいなものが作れるとは思ってなかった」って言ってもらったりして。結構感動してもらったのが、万華鏡に関わっていて一番うれしかったことかな。 Q: 万華鏡をやっていて、悪かったことは? A: 悪かったことは・・・、ないですよ。強いて言えば、万華鏡で金儲けをしようとしすぎないで欲しいくらいかな。 Q: 制作上気をつけていることは? A: まずは、鏡の組み合わせかな。きれいな映像を見せたいので。それから、金属使っているので、結構手間がかかる。それは、後でね、苦労じゃなくなる部分がいいじゃないですか。出来上がった時の。やはり、苦労は、苦労した分だけ後の喜びが多いということですよ。 Q: 好きな作家は? A: 日本人では、山見さんですね。外国では、名前忘れたけど、スイスの若い人かな。ごめん、外国の人ってあまり名前覚えてないんだ。意識してないし。 Q: 作品にこだわりがあるように見えますけど A: 基本は2ミラーで、オイルでゆっくりと落ちてくるのを見るのが好きですね。これが、特徴だね。 Q: ご家族の反応は? A: 一番評価してくれてるのは、おふくろかな。やっぱりおふくろの影響があるんじゃないかな。おふくろは万華鏡が好きで、良く彼女にプレゼントするんですよ。ソーラーシステムの万華鏡を作ったのは、入院してから、光をあてたら自分で回さなくても見えるじゃないですか。それで作ったんですけど、でも完成した時には退院してました(笑)。 Q: 病院などで、万華鏡教室をやりたいですか? A: そうなんですよ、おばあちゃん子だったんで、やりたいですね。子供相手もいいんですけど、お年寄り相手が喜んでくれたら最高ですね。 Q: 今後の抱負は? A: 万華鏡は、まだまだ普及していないので、世の中に広めていきたいですね。自分できれいな万華鏡を作るという経験をお年寄りから子供まで、経験させたいですね。 Q: 個人的な作品としては? A: 以前から考えているんですけど、個人美術館を作りたいですね。いつになるかはわからないですけど、田舎でね。 ”ダスト・ボックス”みたいな作品の大きなのを作って、部屋を暗くして20人くらいで覗き込めるように。 |
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Copyright (C)Akinori Nakamura |